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- 研究室からのメッセージ
研究室の目指す姿
現代の文明社会において、機械が人類にもたらす恩恵はますます多様化の一途を辿っています。生命活動の維持から安心で快適な生活の保障まで、現代の私たちは機械なしでは生きることができません。しかしながら、1997年に京都国際会館にて採択されたいわゆる「京都議定書」を一つの大きな契機として、それまでの消費的な文明スタイルが急速に見直されるようになってきました。
トライボロジー現象の理解に基づく機械要素の高性能化・高効率化-これが私たちの研究室が目指す目標です。そしてそのような取り組みは、機器の省エネルギー化・長寿命化に直接的に貢献できるであろうと信じています。
もちろん事はそれほど単純ではありません。機械要素の高性能化と高効率化は、ときに、相反します。例えばシール要素の場合、シール性能の向上のためにはシール面に掛かる面圧を高める必要がありますが、そうすると摩擦によるエネルギーロスは大きくなります。そのような相反性は機械にとってはままあることで、その際エンジニアのセンスと技量が大きく問われることになります。
「機械要素とトライボロジー」-これは機械の本質を知る格好の題材です。トライボロジー性能向上への近道は、自然の偉大さをいかに理解し、効率良く活用するかにあります。そして「設計」という手段を通して、機械要素上に具現化します。物に即した学問であるゆえの苦しみもありますが、醍醐味も一入です。現象をよく観察すれば、上に述べたような相反性を一挙に解決できるアイデアもまだまだ残されているはずです。
私たちの研究室では、研究活動を通して、真に社会に役立つ科学技術の構築を目指します。そして、各人に与えられた個々のテーマに真摯に取り組むことで、バランス良く機械全体を見渡すことができるエンジニアの育成と輩出を目指します。研究と教育、その両面から研究室に課せられた社会的責務に応えることができるよう、皆で気持ちを一つにして日々努力して行きたいと考えています。
研究室配属を希望する皆さんへ
具体的にこんな研究をしたいという希望を持っている人、なんとなく機械の設計をしてみたいという漠然とした気持ちでいる人、機械をもっと知りたいと思っている人。これまでにもいろんな動機やきっかけで私たちの研究室を選び、入ってきてくれた人がいました。そして多くの成果を残し、卒業して行かれました。その一期一会のご縁を大切にしたいと考えています。願わくば、できるだけその人に合った形で、長所を伸ばして行けるような研究室でありたいです。
他大学からの大学院進学のご相談や留学生の研究指導も承ります。ご質問やご要望は、上の「連絡先」のアドレスにご連絡下さい。
謝辞-外部機関の皆様へ
当研究室の研究活動に際し、多くの大学、研究所、機構、企業の諸先生方、諸先輩方より、さまざまなご支援、ご指導、ご協力を賜っております。中でも、皆様より頂く多角的な視点からのご意見は何にも替え難いものであり、日々の研究の糧とさせて頂いております。
ささやかではありますが、研究室の活動を支えて下さる多くの皆様にこの場をお借りして心よりの感謝を申し上げます。今後とも真摯な気持ちで研究活動に邁進して参りますので、どうぞ変わらぬご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。